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VOL.181 [デーリィマン誌 2016年11月号]

哺乳牛の体づくりに抜群の使いやすさと安心感のビタコーゲン!

(株)ファームRising・Sun 北海道紋別市上渚骨町下渚骨208-3 TEL0158-24-2570

 オホーツク圏の拠点都市の1つ紋別市は農業・漁業・鉱業などの一次業を基幹とする。海産物や酪農・農産物などの豊かな味覚や冬期間の流氷などを目当てに、多くの観光客が訪れる。紋別市の酪農地帯、上渚骨町の(株)ファームRising・Sunを訪問した。

 同市の酪農地帯は紋別地区と上渚骨地区に大きく分けられ、紋別地区は比較的小規模経営が多いのに対し、上渚骨地区は規模拡大が進んでいる。ファームRising・Sunもその1つで、個人による酪農経営に限界を感じていた同地区6戸の酪農家が協業法人を立ち上げたのに始まる。代表取締役社長の岡村智晃さん(44)は「後継者のいないメンバーもいて、地域で酪農を永続的に続けられる方策があればと考えたのがきっかけ」と話す。法人名のRising・Sunには「みんなの力を結集し、これから朝日のように昇っていこう!」という思いが込められている。立ち上げ後に賛同者が1戸加わり計7戸の酪農家が集結してメガファームが誕生した。

牧草地から牧場施設を望む

年間出荷量5,200トンを達成

 法人の立ち上げから牧場設立までの期間は約1年。総事業費は12億円で、その半分を国の「強い農業づくり交付金」を活用した。岡村社長は設立に向けて、「それぞれが所有する個人資産をどう持ち寄るか、それぞれの負担をいかに平等にするか—。その調整が難しかった」と話す。このことを踏まえ、牧場はメンバーそれぞれの自宅からほぼ等距離に位置した牧草地を選び、それぞれが飼養していた乳牛計500頭に新たに購入した200頭を加え、合計700頭でスタートした。現在の耕地面積は400ヘクタール(うち採草地300、トウモロコシ100)で、2棟のフリーストール牛舎、育成舎、哺育舎とロータリーパーラー(50ポイント)などの施設を整え、乳牛総数980頭を飼養する。経営の効率化や設備投資に積極的に取り組み、設立当初2,500トンだった年間総出荷量は、2015年に5,200トンに達した。

左から北海道オリオン(株)紋別営業所の井南光弘副所長、岡村智晃社長、(株)セイワの担当者田代雄治さん

手間を惜しまず確実な給与

 哺乳・哺育牛の体力づくりを目的にビタコーゲン哺育用を使い始めたのは今年5月から。それ以前は他社製品の添加剤を使用していたが、代用乳に混ぜたときの添加剤の溶け具合が不十分で、給与後の哺乳ビンに残るのが悩みだった。セイワの営業担当者に勧められたビタコーゲンを試したところ、その溶けやすさに使い勝手の良さを感じ使用を決めた。現在、ビタコーゲンは1日1頭当たり20グラムのビタコーゲンを哺乳ビン1本ずつに溶かして与えている。まとめて溶かし込むより手間がかかるが、「決められた適量を子牛に与えるにはこの方法が確実」と岡村社長。ビタコーゲン哺育用は有効微生物群を精選して濃縮培養し、さらにブトウ糖に拡大培養したもので、丈夫で健康な子牛づくりを助けてくれる。給与前後の子牛の体調を見ると、季節によるもの以外に大きな変化は見られないとのことだが、「体調が安定しているのは継続使用してきたからこその結果かもしれない」と評価する。「 今は安心して生活ができるための安定的な生産が持続できるよう努力を続けているところ」と、牧場は目標に向かって一歩ずつ進んでいるが、さらに岡村社長が追い求める牧場経営にするためには解決を要する課題もある。例えばメンバーの年齢層が幅広いことから、ベテランが培った経験を生かしながら、新しい取り組みにも積極的にチャレンジできる強みがある半面、世代交代を考えなければならない時期が近づいている。さらに業界全体が抱える慢性的な人手不足に対応していくためには、搾乳ロボットの導入も選択肢の一つになり得る可能性もある。

 同ファームとは別に岡村社長が個人経営時代から所有する牛舎がある。ここではつなぎ飼養している初妊牛にビタコーゲンを試験的に給与している。効果が実感できれば同ファーム本体にも導入したい考えだ。理想の牧場経営に近づくためのパートナーとしてビタコーゲンがもたらす製品としての安心感に期待を寄せる岡村社長だ。

  • 50ポイントのロータリーパーラー
  • 敷地面積は広大な牛舎2棟など全て合わせると約5ヘクタール
  • 子牛にはビタコーゲンを哺乳ビン一本ずつに溶かして給与